神社拝殿に向かって左が田木、右が畑木

根古屋(ねごや)神社の大ケヤキ(田木・畑木)は、共に樹齢800年あるいは1000年といわれるケヤキの巨木です。神社拝殿の前の両側に立ち、向かって左にあるものは田木、右にあるものは畑木と呼ばれています。田木の幹の周囲は10.1m、樹高23m、枝張り東西14m、南北15m。畑木の幹の周囲は11.9m、樹高21m、枝張り東西16m、南北16mを測ります。地元では古くから、このケヤキの芽吹きでその年の作柄を占ってきました。両樹は年によって春の芽吹きに差があり、田木の芽吹きが早いときは稲作が、畑木が早いときは畑作が豊作であると言い伝えられています。

1958(昭和33)年5月に国の天然記念物に指定されています。

大ケヤキの内側は、大きな空洞が出来ていて、枯れ葉がたまりやすく1968(昭和43)年には内部から発火する事故が発生しました。こうした事故を防ぐとともに雨水の侵入による腐朽を防ぐためトタンで覆ってきました。

しかし近年、樹勢の衰えが生じていることから、1999(平成11)年度~2000(平成12)年度にかけて大規模な樹勢回復工事を実施、土壌改良工事とともに地上部では大規模な外科手術を施し、樹形を復元しました。

美観を損ねていたトタンは外され、見違えるような外観になりました。さらに2006(平成18)年度にはつぼ肥作業を実施。2009(平成21)年度からは4カ年計画で樹勢回復工事を行いました。根を傷めないようにエアスコップで慎重に掘り起こし、水苔を巻いて養生。土壌改良剤を混合した土で埋め戻すなどの作業を行いました。

これからも、大ケヤキを保護していくためには定期的な観察と適切な管理が必要です。

樹形復元

根の状況(田木)

掘削作業 エアスコップで根を傷めないように掘削する

根の状況(畑木)

保護養生 根に水苔を巻いて、養生する

埋め戻し