神田(しんでん)の大糸桜は樹齢400年のエドヒガンザクラの変種で、戦国から江戸時代に世が移る頃に芽生えたと考えられています。根回り8m、樹高9m、枝張り20m余り。山梨県内でもまれな枝垂れ桜の巨木で樹形も良く、昭和34(1959)年、山梨県の天然記念物に指定されています。

田んぼの真ん中に位置することから、見晴らしが良く、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳をはじめ残雪を戴いた周辺の山岳景観との対照は感動的です。地元では「花が一斉に開くときは豊年」と言い伝えられています。

近年、樹勢の衰えが著しく、北杜市教育委員会による「神田の大糸桜樹勢回復等検討委員会」が発足し、専門家らを交えた本格的な現状の把握、調査等が行われ、2009(平成21)年より4ヵ年計画で樹勢回復事業が行われました。土壌の入れ替え・枝の剪定などをしています。また、冬季に吹きすさぶ八ヶ岳おろしの冷たい強風によって、老樹で衰弱したサクラの花芽や葉が落とされたりするのを防ぐためにサクラの北側と西側に防風ネットを設置しました。現在は、生垣が育って防風の役割をしています。

土壌改良工

外科治療

以前は桑畑の中の一本桜