江戸時代に京都と江戸を結んだ中山道。そのちょうど真ん中に位置する長野県木曽谷(きそだに)に、中山道34番目の宿場「奈良井宿」があります。江戸時代にタイムスリップしたような情緒ある町並みには、宿場時代そのままの老舗旅館や千本格子の家々などが残っています。

官民学連携による町並み保存運動は昭和40年代から、他に先駆けて始まりました。1978(昭和53)年には文化庁の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

奈良井宿において、竹中工務店と全国各地で地域の課題解決に取り組む47PLANNINGが計画・開発を推進してきた小規模複合施設が2021(令和3)年8月に開業しました。

このプロジェクトは、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている奈良井宿の約200年前の伝統的建造物である「旧杉の森酒造」と「旧豊飯豊衣民宿」を改修し、宿泊施設をはじめ、レストラン・酒蔵・バー・温浴施設・ギャラリーとして利活⽤するものです。

事業主体は、地域の森林資源の利活⽤を進める⼀般社団法⼈塩尻市森林公社、および同公社と⽵中⼯務店が出資し設⽴した「株式会社ソルトターミナル」。改修工事の設計を株式会社ツバメアーキテクツ一級建築士事務所、⽵中⼯務店が⼿掛けました。

雲松園は、プロジェクトの宿泊施設などへのアプローチの植栽や飛び石、塀などの外構工事を担当しました。